翼 －TSUBASAー 第１２話 [翼 －TSUBASA－]
ブログ小説 「翼」 も いよいよクライマックスです(*´Д｀*)
そろそろ、終りが見えてきたかなぁ
たぶんｗ
色んな謎があって、智明の気持ちをそろそろみえてきたような？ｗ
ちなみに今回は予約投稿です(*'-')ｂ
実家に帰宅する前に書き上げました
それでは、楽しんで読んでいただける事を切に願って
翼 －TSUBASA－ いままでの話
プロローグ 第1話 第２話 第３話 第４話 第５話 第６話 第７話 第８話 第９話 第１０話 第１１話
翼 －TSUBASA－ 第１２話
ルカが、三浦さんの彼女……いや、「もういない」と言っていたから、元彼女だろ。もしかしたら、兄妹とか従妹とかかもしれない。大学時代の後輩って線もありえるか……。
っていうか、やっぱり人間だったのか？
あまり意味のない一人問答を、俺は朝からずっと続けていた。
つい最近まで俺の部屋に入り浸っていた自称天使のルカは、三浦さんと同じ指輪をいつでも身に付けていたのを覚えている。
ラケットを振るのに邪魔だから外せと言った時も、指輪だけは断固として外さなかった。
それほど、大事な物だったということなんだろう。
俺は、帰宅途中にあるコンビニにふらりと立ち寄った。何故か、異様に喉が渇いていた。
よく冷えたスポーツドリンクを手に、店を出る。冷たい感触が喉を通ると、少し冷静になれた気がした。
そして、再び浮上する。
三浦さんがアメリカに行くのに、ルカは一緒に行きたがるだろうか。
あれから、ルカには会っていない。もう、俺に会う必要がなくなったからか。それとも、三浦さんと寄りを戻したから……。結局、ルカが何の為に俺に会いに来たのかも、分からないままだった。
今更、どうでもいいことかもしれねぇけど。
うだうだ考えていたせいか、俺が家に着いた時には夕日は沈みかけていた。
家では、既に母さんが夕食の準備をしていて、リビングで妹がテレビにかじり付いていた。
「智くん、おかえりなさい。夕食が出来たら下りてきてね」
俺がそのまま２階へ上がろうとすると、キッチンから母さんが声をかけてきた。適当に返事をして部屋へ入る。
「あ！ おかえりなさーい、智明」
「……っっっ！？」
ルカ！！！
視線の先にいる自称天使を見たまま俺は固まった。
満面の笑みだった。
相変わらず、俺のベッドの上で胡坐をかき、クッションを抱えている。ジャージ姿だった服装は、最初に出会った頃のロックテイストなジーンズ姿に戻っていた。
背中には、殆んど黒くなった翼が生えていた。
俺は、無意識にルカの指先を見る。クッションに隠れていて、指輪をしていることは確認できなかった。
「……お前、こんなところで何して……」
息が詰まる。
「やっほ。元気してた？ えっと、ちょっと野暮用で、なんて？」
ルカは軽い口調で話しながら、片手を軽く挙げた。
お前は、三浦さんの彼女なのか――
聞けるはずもない。
ほんの数秒だけ、俺とルカは黙ったまま見つめ合っていた。
先に口を開いたのは、ルカだった。
「智明さぁ、テニス好きだよね？ 今の生活楽しい？」
ルカの顔は真剣だった。
「……なんだよ、それ」
突然そんな事聞かれても……。ルカの意図がわからねぇ。
「あはは、すっごい困った顔してる。智明」
「なっ……からかってんじゃねぇよ」
俺は、やっと体の緊張が解けて、鞄を机に置いた。
「ごめん、ごめん。智明の幸せって何かなぁって。テニスかな？ やっぱり」
テニスは好きだけど、幸せと直接繋がってるとは思わない。
「そういうお前は、どうなんだよ？」
やっぱり、三浦さんといたんじゃねぇのか。
「あたし？ あたしは…………」
暫く俯いていたルカは言った。
「大切な人達が笑ってくれれば、それで幸せかなぁ？ えへへ、らしくないよね？」
恥ずかしさを誤魔化すように笑う。
窓から差し込む朱色の夕日が、ルカの顔に影を落として、突然、水晶のような小さな粒が瞳から溢れ出てきた。
「あれ？ やだ、なんだよ、これ……えへへ、何だろ。や、やだなぁ、違うよ、ちがっ……」
涙を拭いながら、必死に笑顔を保とうとするルカの姿は、とても綺麗で切なかった。
急に、いとおしくてたまらなくなった。
触れてみたくなった。
俺は、ルカに近づいた。
一歩足を踏み出す事に、何かが俺の心臓を強打する。宙に浮いたような感覚と、胸をぎゅっと潰されたような息苦しさ。
「大丈夫、大丈夫だよ。ごめん、びっくりするよね。何だろね、ホント……智明？」
涙を拭う手には、指輪が嵌められていなかった。
俺は、ルカの顔を見下ろす。その瞳はいまにも溢れ出しそうな宝石でいっぱいだった。
「えっと、ちょっ……」
頬に手を伸ばす。ルカが身を引いた。
けど、俺の体は止まらなかった。
心臓の音しか聞こえない。
ルカの瞳だけしか、見えていなかった。
俺はルカの唇へと、自分のそれを重ねる。
ほんの一瞬、柔らかな感触を感じた。
けど、それは本当に僅かな時間だった。
「……っっにしてんだっ、てめぇ！！！」
怒号と共に、俺は床に吹き飛ばされる。
気付いた時には、顔を真っ赤にして仁王立ちするルカの姿があった。
俺……ルカに……
しだいに、自分のした事の重大さが脳内に染み渡る。しくしくと込み上げる焦りは、未だかつて無いほど危機感と罪悪感を俺に与えていた。
「わ、わりぃ……」
この言葉が止めだった。
ルカの頬を、再び雫が伝って落ちた。
唇を噛み締めたルカは、そのまま姿を消してしまった。
取り残された俺は、現実に引き戻される。
左の頬がづきづきと痛み始めた。
そこで、やっと俺は殴られたことに気が付いた。
しかし、その痛みよりもルカを傷つけてしまった事の方が重かった。
もう二度と、会うことはできないかもしれない。
ルカは、俺の前には現れないかもしれない。
何であんなことしたんだ。なんで、急に――
「……くっそ……」
俺は、自分の事が分からなくなった。
＜つづく＞
12話でしたっｗ
かなり糖度甘めだったと思うのですが、どうでしたか？
ドキドキできたかな？ (*´Д｀*)
こういうシーンは描写が難しいです(´；ω；｀) 修行が足りない証拠ですが
智明は、衝動のおもむくままに・・・と言った感じでしたが
自分の行動に戸惑いすぎて、ちょっとかっこ悪かったかも？
ルカは、また消えちゃいましたっ
せっかく、登場させたのにーっ ＞＜； 智明のバカーッ！！
でも、指輪はしていませんでしたねｗ
次回も出来れば2週間後にupの予定ですが
早く出来上がれば、早めに載せます
それでは、ながながと、読んでいただいてありがとうございました
いつも、nice!やコメントなど、応援ありがとうございます！！
別のブログの方でも、コメントにurl入れていただければ遊びに行かせて頂きます(´∀｀)
そろそろ、終りが見えてきたかなぁ
たぶんｗ
色んな謎があって、智明の気持ちをそろそろみえてきたような？ｗ
ちなみに今回は予約投稿です(*'-')ｂ
実家に帰宅する前に書き上げました
それでは、楽しんで読んでいただける事を切に願って
翼 －TSUBASA－ いままでの話
プロローグ 第1話 第２話 第３話 第４話 第５話 第６話 第７話 第８話 第９話 第１０話 第１１話
翼 －TSUBASA－ 第１２話
ルカが、三浦さんの彼女……いや、「もういない」と言っていたから、元彼女だろ。もしかしたら、兄妹とか従妹とかかもしれない。大学時代の後輩って線もありえるか……。
っていうか、やっぱり人間だったのか？
あまり意味のない一人問答を、俺は朝からずっと続けていた。
つい最近まで俺の部屋に入り浸っていた自称天使のルカは、三浦さんと同じ指輪をいつでも身に付けていたのを覚えている。
ラケットを振るのに邪魔だから外せと言った時も、指輪だけは断固として外さなかった。
それほど、大事な物だったということなんだろう。
俺は、帰宅途中にあるコンビニにふらりと立ち寄った。何故か、異様に喉が渇いていた。
よく冷えたスポーツドリンクを手に、店を出る。冷たい感触が喉を通ると、少し冷静になれた気がした。
そして、再び浮上する。
三浦さんがアメリカに行くのに、ルカは一緒に行きたがるだろうか。
あれから、ルカには会っていない。もう、俺に会う必要がなくなったからか。それとも、三浦さんと寄りを戻したから……。結局、ルカが何の為に俺に会いに来たのかも、分からないままだった。
今更、どうでもいいことかもしれねぇけど。
うだうだ考えていたせいか、俺が家に着いた時には夕日は沈みかけていた。
家では、既に母さんが夕食の準備をしていて、リビングで妹がテレビにかじり付いていた。
「智くん、おかえりなさい。夕食が出来たら下りてきてね」
俺がそのまま２階へ上がろうとすると、キッチンから母さんが声をかけてきた。適当に返事をして部屋へ入る。
「あ！ おかえりなさーい、智明」
「……っっっ！？」
ルカ！！！
視線の先にいる自称天使を見たまま俺は固まった。
満面の笑みだった。
相変わらず、俺のベッドの上で胡坐をかき、クッションを抱えている。ジャージ姿だった服装は、最初に出会った頃のロックテイストなジーンズ姿に戻っていた。
背中には、殆んど黒くなった翼が生えていた。
俺は、無意識にルカの指先を見る。クッションに隠れていて、指輪をしていることは確認できなかった。
「……お前、こんなところで何して……」
息が詰まる。
「やっほ。元気してた？ えっと、ちょっと野暮用で、なんて？」
ルカは軽い口調で話しながら、片手を軽く挙げた。
お前は、三浦さんの彼女なのか――
聞けるはずもない。
ほんの数秒だけ、俺とルカは黙ったまま見つめ合っていた。
先に口を開いたのは、ルカだった。
「智明さぁ、テニス好きだよね？ 今の生活楽しい？」
ルカの顔は真剣だった。
「……なんだよ、それ」
突然そんな事聞かれても……。ルカの意図がわからねぇ。
「あはは、すっごい困った顔してる。智明」
「なっ……からかってんじゃねぇよ」
俺は、やっと体の緊張が解けて、鞄を机に置いた。
「ごめん、ごめん。智明の幸せって何かなぁって。テニスかな？ やっぱり」
テニスは好きだけど、幸せと直接繋がってるとは思わない。
「そういうお前は、どうなんだよ？」
やっぱり、三浦さんといたんじゃねぇのか。
「あたし？ あたしは…………」
暫く俯いていたルカは言った。
「大切な人達が笑ってくれれば、それで幸せかなぁ？ えへへ、らしくないよね？」
恥ずかしさを誤魔化すように笑う。
窓から差し込む朱色の夕日が、ルカの顔に影を落として、突然、水晶のような小さな粒が瞳から溢れ出てきた。
「あれ？ やだ、なんだよ、これ……えへへ、何だろ。や、やだなぁ、違うよ、ちがっ……」
涙を拭いながら、必死に笑顔を保とうとするルカの姿は、とても綺麗で切なかった。
急に、いとおしくてたまらなくなった。
触れてみたくなった。
俺は、ルカに近づいた。
一歩足を踏み出す事に、何かが俺の心臓を強打する。宙に浮いたような感覚と、胸をぎゅっと潰されたような息苦しさ。
「大丈夫、大丈夫だよ。ごめん、びっくりするよね。何だろね、ホント……智明？」
涙を拭う手には、指輪が嵌められていなかった。
俺は、ルカの顔を見下ろす。その瞳はいまにも溢れ出しそうな宝石でいっぱいだった。
「えっと、ちょっ……」
頬に手を伸ばす。ルカが身を引いた。
けど、俺の体は止まらなかった。
心臓の音しか聞こえない。
ルカの瞳だけしか、見えていなかった。
俺はルカの唇へと、自分のそれを重ねる。
ほんの一瞬、柔らかな感触を感じた。
けど、それは本当に僅かな時間だった。
「……っっにしてんだっ、てめぇ！！！」
怒号と共に、俺は床に吹き飛ばされる。
気付いた時には、顔を真っ赤にして仁王立ちするルカの姿があった。
俺……ルカに……
しだいに、自分のした事の重大さが脳内に染み渡る。しくしくと込み上げる焦りは、未だかつて無いほど危機感と罪悪感を俺に与えていた。
「わ、わりぃ……」
この言葉が止めだった。
ルカの頬を、再び雫が伝って落ちた。
唇を噛み締めたルカは、そのまま姿を消してしまった。
取り残された俺は、現実に引き戻される。
左の頬がづきづきと痛み始めた。
そこで、やっと俺は殴られたことに気が付いた。
しかし、その痛みよりもルカを傷つけてしまった事の方が重かった。
もう二度と、会うことはできないかもしれない。
ルカは、俺の前には現れないかもしれない。
何であんなことしたんだ。なんで、急に――
「……くっそ……」
俺は、自分の事が分からなくなった。
＜つづく＞
12話でしたっｗ
かなり糖度甘めだったと思うのですが、どうでしたか？
ドキドキできたかな？ (*´Д｀*)
こういうシーンは描写が難しいです(´；ω；｀) 修行が足りない証拠ですが
智明は、衝動のおもむくままに・・・と言った感じでしたが
自分の行動に戸惑いすぎて、ちょっとかっこ悪かったかも？
ルカは、また消えちゃいましたっ
せっかく、登場させたのにーっ ＞＜； 智明のバカーッ！！
でも、指輪はしていませんでしたねｗ
次回も出来れば2週間後にupの予定ですが
早く出来上がれば、早めに載せます
それでは、ながながと、読んでいただいてありがとうございました
いつも、nice!やコメントなど、応援ありがとうございます！！
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ルピナス さん
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翼～盛り上がってきたにゃ～。
今回はちょっぴりどきどきな展開で、さらにルカちゃんの謎が気になってしまうでふ～。
ど、どうなるのかにゃ(;´д｀)はふはふ
・・・でも、智くん、ああゆう時はあやまっちゃダメだにゃ～。
むふふ～(゜ΨΨ゜*)
次回も楽しみにしてるですにゃ～。
by K-STYLE (2010-04-27 00:18)
かっぱちゃんやほほ～(*´Д｀*)ノ
予約投稿してたの忘れてたｗｗｗ
ちょっぴりドキドキな展開だったけど
未熟モノな智明の一面というか(゜▽゜;) 恋愛ベタな感じが表現できていればいいかなとｗ
さて、次回は大事な場面ですにゃ
頑張るでっす～(´∀｀)ノシ
ところで、近々チャットしませう(*^-^*)ｂ
また、メールしまーす
by ルピナス (2010-04-27 01:04)
るぴさんやっほ～(*'∇')/翼更新お疲れさまですm(._.)m
今回の話はドキドキしながら読めたですよ(*'∇')智明の
行動とか考え込んでるシーンとかもわかる部分もあって
そういうのもあって今回の話はいつも以上に読み込んだ
ですよ(*'∇')ボクも恋愛とかしたことないから読んでて
ドキりとなったｗ続きが楽しみだよ～＾＾あっ！それから
話は変わるんだけど桜花の件は今週末くらいにメールで
送ろうかなって思ってるですm(._.)mギリギリになって
しまったけど：：少しでも参考になればと思ってるです！
by セイバー (2010-04-27 19:40)
セイバーさん☆
やっほ～(´∀｀)ノ 読んでくれてありがとうｗ
ドキドキした？ｗ 嬉しい言葉だにゃ～(*´Д｀*)
まるで自分が恋愛している気分になってもらえたら本望ですｗ
といっても、まだまだな部分が多いんだけどね(^_^;)
続きも頑張るよ～ん
桜花の件は了解です('◇')ゞ 大丈夫、次話ではまだ桜花の説明は詳しく出さないつもりだから(*'-')ｂ
ところで、私、ものすごい失敗をしたことに気が付きましたヽ(;´Д｀)ノ
どういう失敗かは、色々まとまったら近々詳しくメールします
多分長いのでPCで
それでは、クロニクルを仕上げてきまーす(*^-^*)ノ
by ルピナス (2010-04-27 19:53)
ルカさん再登場ですね。でも色々前と違いが・・・
羽は黒？指輪なし？逆問いで泣いちゃうし・・何があったのでせう。
ちょっとドキドキシーンは、智明！てめえ！恋愛ベタの癖して唇奪うとはふてぇヤロウだ！・・・せめて抱きしめるくらいに・・・・それほどまでにルカは美しい・・んじゃなくて、智明君に特別な存在になっちゃったんですね。
ルカさんは相変わらず謎なのです。
by TSO (2010-04-27 21:02)
TSOさん☆
こにゃにゃ～(´∀｀)ノシ コメントありがとうです～
ルカは相変わらず謎ですよね(ーー;)すいません上手い具合に謎解きが入らないorz;
そうそうｗ智明はホント、何してんだてめぇ！ｗ 的な感じで、ふてぇヤロウですｗ
なんで抱きしめるだけにしなかったんでしょうねぇ(゜▽゜;)
衝動とは恐ろしいｗ
特別になったことをちゃんと自覚してくれてるといいんですけどねぇ
ルカの謎をちゃんと描写できるよう頑張ります(*'-')
読んでくださってありがとうございました
by ルピナス (2010-04-28 11:54)
衝撃の展開にドッキドキだったのだっｗｗ
何ていうか、読んでるこっちも
照れちゃいますね・・・＞＜
いよいよクライマックスって事で
智明君とルカちゃんの関係がどうなるのか
非常に気になりますです！！！
by サトル (2010-04-30 01:22)
サトルさん☆
読んでくれてありがとうでした(*'-')
ドキドキした？ｗ やったーｗｗｗ
書いてる時は恥ずかしくないんだけど、読むとね(///∀///)
抱きしめるだけにしようかとも思ったんだけど、それはそれで、色々と問題が発生してｗ
今後の二人の展開を楽しみにしていてくださいませ～
by ルピナス (2010-05-01 17:36)