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翼 -TSUBASA- 第10話 [翼 -TSUBASA-]

いつも拙い小説を読んでくださってありがとうございますっ!!

まずは、昨日のことで・・・

かっぱちゃん、セイバーさん
リヴチャできなくてごめんなさいでした (--;(_ _(--;
もう大丈夫でふ(*'-') また誘ってくださいね♪





さてw
ブログ小説も第10話になりました Σ(゜Д゜)もう10話?!って自分で思いましたw
それなのに終わっていないなんて(ーー;) おかしいなぁw
プロットだと、もっとさっくり終わる予定だったw

前回の9話は、智明と影沼が、スポーツショップの三浦さんに誘われて
テニスの交流試合のお手伝いに参加するという場面でした
相変わらず智明は暗いです(~_~;)
一人で悶々してますねw
さて、今頃ルカは何処にいるんでしょうね?w

では、続きをお楽しみ下さいませ





  翼 -TSUBASA- いままでの話
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翼 -TSUBASA-  第10話



 
 6-2で2回戦敗退。それが隣でブツブツ念仏みたいに何かを唱えながら素振りをする影沼の成績だった。
 時間とか予算の関係で1セットマッチのダブルストーナメント戦。
 試合が短かったから反撃できなかったとかじゃなくて、俺たち高校生より数段経験値が上の青年軍団は、桁違いに上手くて話にならなかったっていうのが現実だった。それでも、パートナーの弘幸さんが影沼のノーコンぶりをフォローしまくってくれたおかげで試合らしくはなっていたのが救いだ。
 けど、足を引っ張るどころか、幼児が大人に手加減して遊んでもらっている様なレベルの差がありすぎるテニスを目の当たりにしたのは、分かってはいたけど結構な衝撃だった。
「・・・・・・スピードは十分だった、手首のひねりが足りなかったか・・・いや、コースがイマイチだったんだ・・・だから――」
 試合を振り返って反省してるつもりらしい。パワーに拘るあまりにコントロールが不安定になるのが影沼の弱点なのだが、本人はそれを受け入れない。どうしても、剛速球が打ちたいんだそうだ。
 審判を任されてはいたけど、結局は青年軍団が爽やかに引き受けてくれて、俺たちはタダの見学者になっていた。
「負けて・・・悔しかったか?」
「は?」
 俺の質問に影沼は顔をキョトンとさせた。そうだろうな。
「・・・そりゃあ、悔しかったさっ。やっぱり、経験が違うとこんなに差があるんだよなぁ。でも、俺のサーブも入ったぜ。見たろ? あれは爽快だったっ!」
 そう言って、またラケットを豪快にスイングする。
 本当に悔しいと思ってるんだな、影沼は。あれだけの差を見せ付けられても本気で勝つつもりでいたんだからな。
 でも、・・・・・・俺なら、きっと・・・・・・思わない。
 パートナーにミスをカバーしてもらって、サポートしてもらって、挙句に決着まで付けてもらうって・・・・・・何のために自分がいるのか分からなくなるだろ・・・・・。その上で、勝とうなんて・・・・・・そんな図々しいこと思えるわけがない。
 あいつみたいに図々しい方が、テニスには向いてるのかもしれないなぁ。
 そんなことを考えながら、ルカの顔を思い出していた。
「おう、隆司っ。お疲れ様だったな」
 本部のあるテント付近で休憩していた俺たちを見つけて、声をかけてきたのは試合を終えたばかりの三浦さんだった。
 首にタオルをぶら下げて、まだ息が乱れたままだ。
「三浦さんっ、お疲れ様っス。3回戦終わったんスか? ってか準決勝どうでした? 勝ちました?」
「おうよ、もちろんさっ・・・って言いたいとこだけど、負けた」
「ええぇぇぇっ! マジっすかっっ? ってそれ、相手どんだけツワモノなんすか!?」
 三浦さんと手合わせをした事があるらしい影沼は、デカイ声で言う。おかげで、周りにいる人たちが振り返って爆笑している。
「はははははっ、何言ってんだっ。俺より強いやつなんてゴロゴロいるさ。あいつだって・・・お前とペアを組んだ弘幸だって、俺より全然上さ。インターハイにだって出場したことがあるんだぜ?」
 スポーツドリンクを飲んで、ニタリと三浦さんが笑った。
「・・・すげー・・・・・・」
 影沼は本気で感心しているが。
 そんな高レベルな人たち相手に試合って・・・。付いていけるわけないだろーがっ。
「といっても、まあ、過去の栄光だ。そんな俺らも、もうおっさんだしなっ!」
 バンっと影沼の肩に平手を食らわせると、三浦さんは俺の隣の椅子に座った。
 そして、怪我の調子はどうだ? と聞いてきた。
 どうもこうもない。俺の答えはいつも同じだ。
「まあまあ・・・ス」
「・・・そうか・・・・・・お前さ、テニス出来なくて、腐ってるだろう? 隠すなよ、別に変な事じゃない。誰でもそうなるさ」
「なっ・・・・・・」
 三浦さんにケガの事を悩んでるとは言った覚えがない。じゃあ、顔に出てたとかそういうことか? テニスしたそうにしてたとか?
 なんだかそれは男として情けない気がする。
「俺、別に腐ってなんかいないっスよ。ただ、周りがごちゃごちゃうるさいだけで、俺は別に何とも・・・」
 思ってない。と言おうとしたけど、三浦さんに言い訳しているみたいで嫌になった。
 本当は気にしてるくせに、それを言えないのは男だからか? それとも、プライドが高いせいなのか?
 全部が、大人の三浦さんには見透かされてるみたいで悔しかった。
 大きな溜息を吐いて、椅子にもたれた三浦さんは、俺の顔をちらりと見てから意を決したように口を開いた。
「俺さ・・・・・・店をやめようと思うんだ」
「え・・・?」
 突然の話のなりゆきに、俺はとまどった。何で急にそんなことを・・・。
「・・・でも、やめたっ!」
「は?」
 三浦さんの言いたい事がなんなのか全然分からなかった。
「俺さ、すげー大切なもん失って、それがないと生きていけないんだって、失ってから気付いて。どうせもう取り返しが付かないなら、いっそ全部やめちゃおうかって思ったんだ・・・・・・」
 かすかに笑みが浮かんでるのに、声は辛そうだった。
「サーファーもやめちゃうって事ですか?」
 後ろで聞いていた影沼が静かに聞いた。
「そう・・・・・・でも考え直した。お前見たから」
 三浦さんの視線の先にいたのは、俺だった。
「は・・・?」
 俺、何もしてねぇし。ってか、俺に繋がるのが・・・・・・・・・分からない。
「お前が怪我して、好きなテニス出来なくてふてくされてて、それでも店に来てラケット眺めて悶々としてるの見たら、『何腐ってんだよっ、好きなら好きでいいじゃねぇかっ』 って言いたくなって。そしたら、それは自分も同じだなって思ったんだ・・・・・・って、わりぃ。自分事なんだけどな」
 鼻の頭をポリポリとかいて、三浦さんは続けた。
「だから、お前にも自覚させてやろうかと思ってさ。どれくらいテニスがやりたいかって事をさ。見てるだけじゃもどかしくてイライラするだろう? やりたいからイライラするんだ、できない事にな。だったらやればいい。上手い、下手なんて他人が決めたちっさい枠にハマる事ないさ。俺の場合はサーフィンだけどな」
 三浦さんは照れくさそうに笑った。
 それをわざわざ俺に伝える為に、テニスの試合を開催したんだろうか?
「まあ、俺もここいらで気分転換がしたかったしなっ、それで、仲間集めてテニスしてみたんだけど、結局は自分たちで楽しんでるだけなよなっ、はははっ。俺の大切なものは二度と取り戻せないけど、お前はまだ若いんだから、いくらでもやり直しがきく! 少年、小さくまとまんなよっ」
「は、まあ・・・うわっ」
 くしゃくしゃと俺の髪をかき乱していった三浦さんは、次の試合の準備の為にコートへと向かっていった。
「三浦さんの様な人でも、出来ない事ってあるんだなぁ」
 影沼の一言に、俺はなんだか三浦さんが本当はすごい悩みを抱えて生きてるんじゃないかって気がしてきた。








<つづく>



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K-STYLE

こんばんばん(・◇・)ノ"
執筆おつかれさまですにゃ~。
創作は、書いてるとついつい予定より長くなっちゃうです。でもでも、それは作品に対する思い入れの深さゆえ・・・といい方に解釈するですにゃ~。
それにしても、智くんの煮え切らない心の内の様子や、いろんな人との交流や出来事によって少しずつ変化していく描写が丁寧に描かれてて、すなおに感心しちゃうです~(゜◇゜*)ほわ~~
この「翼」とゆう作品を読み始めたころは、完全なファンタジー作品だと思っていたでふが、ここ最近の世界観はとってもリアルで、青春作品ぽい感じ。そこにルカちゃんとゆう不思議な存在が加わって、いいスパイスになってるにゃ~(・∀・)
身体に気をつけて、これからもステキな小説を執筆してくださいにゃ。
あ、あとあと、昨日のことは全然気にしなくっていいですにゃ~。
むしろ、るぴさんの体調がしんぱいでふ(;◇;)あう・・・
by K-STYLE (2010-01-18 21:38) 

セイバー

るぴさんこんばんわ(*'∇')/執筆お疲れ様でしたm(._.)m
今回も智明はいろいろと葛藤しているみたいだけどそれを
支えるというか智明のことを見てくれている仲間がいっぱい
周りにいて改めて良い人たちに囲まれてるなぁ~って
思ったです!この後の智明がどう変わっていくのかがすごく
楽しみです(*'∇')それと昨日のことは気にせず!まずは
体調を良くすることに(*'∇')で次の時にまた小説の打ち合わせ
とかしようです♪
by セイバー (2010-01-19 00:19) 

ルピナス

かっぱちゃん☆
こばにゃ~(*´Д`*)ノシ
なぜ長くなるんだろうねい?w短くしたいんだけどね(^_^;)
ふむふむwいい解釈ですにゃw
智明は基本的に暗いということが分かってきましたwww
影沼の方が実はさっぱりしてて単純でふ(*'-')
私も最初はファンタジーの予定だったのだけどね(;´ρ`)なぜに?w
リアルさは、かっぱちゃんの言ってた「物語に陶酔」して書くように頑張ってるでふ('◇')ゞ
まだまだ感情表現がイマイチとか思っているので、日々精進しますっ
いつも心配かけてごめんなさい(⊃д⊂)
でも、もう大丈夫です。またリヴチャに誘ってくださいね
メールに気付かなくてごめんなさいっ!!!!!!!

セイバーさん☆
智明はいつまでもグチグチと葛藤するので、物語が進まないでふ(ーー;)
仲間に支えられてて、幸せなヤツなんだけどイマイチ感謝が足りないのです!!
それに気付いて、自分に自信を持ってくれるといいなぁとか思うですねw
(⊃д⊂)参加できなくてごめんね。体調の方は大丈夫です!
('◇')ゞ小説の打ち合わせよろしくおねがいしますですっ!!


by ルピナス (2010-01-19 17:26) 

satoru

翼、気が付くともう10話なんですね!!!
自分は小説全然かけないので単純にこんなに書けて
すっごいと思うですよ^-^

三浦さんは智明君のこと、お見通しなんですね^^
そして三浦さんも何か悩みを抱えているんですね・・・。
それなのに明るくふるまってて、すっごいのです!!
ルカちゃんの再登場も期待してまーす。ではは~ですっ。

by satoru (2010-01-20 01:30) 

ルピナス

サトルさん☆
もう10話なんですよねぇ~(゜▽゜;)
予定では終わってるはずなんですがねwあはは;;
文章力がイマイチなので、もっと本を読まないとなぁとか思ってますよ(;´ρ`)
三浦は三浦なりに悩みがあって、それが智明と重なってこんな展開になったわけですが、そろそろ物語りも架橋です(*'-')
次くらいにはルカが登場すると思いますのでヨロシクでふw

by ルピナス (2010-01-21 19:18) 

TSO

三浦さんもかっこよさの後ろに実は影がありそうですが・・
でも大人がよい見本を見せてますね。
大人に助けてもらうなんて、生意気だったあの時は考えもしなかった。
大人が大人の役目をして登場できるようになったとき、ちゃんと歳取ってきてるんだなって思ったものです。
ルピナスさん、大人ですねえ。

ファンタジーにするにはルカさんがあかぬけすぎちゃったんじゃないのかなぁ。
by TSO (2010-04-22 00:36) 

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