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かっぱちゃん はっぴぃーばーすでい♪♪♪ [捧げもの]

Happy Birthday !!!

かっぱちゃん、お誕生日おめでとうございます ヽ(*´∀`)ノ 

イ、イラストがない(;´ρ`) はぅぅぅぅ(´Д⊂ ごめんなさーーーーい::

あんなにステキなイラスト頂いたのに、イラストでのお返しができなくてorz;

><; 私なりに、小説を作ってみましたのですっ

かっぱちゃん執筆の 『真昼の月』 から キャラをお借りして パロってみました

今回は3人称で書いてみましたのです(´∀`) 

でも、めっさ長くなってしまいました(つд・)

SSを書くつもりが短編になった(´;ω;`) SSは苦手だーーーーー;w




かっぱちゃんとは違う文質ですが、楽しく読んでいただけたらいいなぁと思います



ではでは どうぞ




 登場キャラクター
<真昼の月より>
 榊 ユウ   榊 明日美   佐倉 美咲   野口 あかり   三村 真示
<リヴリー擬人化より>
 蒼華
*****←は、場面転換もしくはキャラ視点交代です
キャラの言動はルピナスフレーバーになっておりますので(⊃д⊂)御了承下さい


ハッピーバースデーを探せ


 『誕生日用のケーキを作ってくれ』
 そう依頼してきたのは、飼い主でもある主人のルピナスだった。
「誰の? どんなケーキにする?」
 条件反射でつい即答してしまう自分が蒼華は怖かった。スイーツのこととなればじっとしている方が困難で苦痛なのだ。
「あー、えっとね……とっても優しくてほんわかした人だからね、そんなケーキ?」
 相変わらず主人の説明は曖昧で、ぼんやりとした輪郭さえままならない。
「なにそれ? 分かりづらい!! どうでもいいけど、たまには自分で作ってみるとかした方がいいんじゃない? お友達なんだし、お世話になってるんでしょう?」
「は……うっ……そ、蒼華が作ったほうが喜ぶから……だから……なんていう、ヵ……ぇっ…………」
 もごもごと、口の中で言葉を潰しながらルピナスはどこかへと消えて行った。
「……逃げたか……」
 長々と深い溜息をついた蒼華は、さっそく紙と色付きペンを取り出してデザインを考え始めた。
 ケーキのデザインを考えるに当たって必要な情報は、『優しい』 と 『ほんわか』 だけだった。
「ほにゅ、偵察にいく?」
 丸い土台のような線を描いたまま手が止まってしまった蒼華は、ぽそりと呟いた。

************

 ピンポーン!
 静かな室内にチャイムの音が鳴り響いた。
「あれ? 誰だろう? 珍しいな、お客様なんて……」
 リビングで紅茶を注いでいた黒髪の少年――榊ユウは、セイロンティーの入ったポットをテーブルに置き、玄関へと向かった。
 外は雨。そろそろ冬支度を始めたらしい季節の風が冷たくふき、せっかくの休日だというのに散歩もできない事を残念に思いながら、温かい紅茶を入れて休日の時間をどう有効に使おうか思案していたところだった。
 この家の持ち主である伯母――榊明日美は、自分の部屋にこもりっきりで食事などの生活行動意外はあまり顔を見せないので、めったにこない客の応対などは主にユウがしているのである。
「はーい、どちら様ですか~?」
 玄関へと向かいながら、扉の向こうの相手へと問いかけた。寒い中、ジッと待ってくれている相手の事を思うとインターホンの受話器を取る作業ももどかしい。
 素早く靴に足を通し、扉を開けると、洪水のような轟音を伴って振る雨の中立っていたのは、小さな栗色の髪の女の子だった。

************

 「ありがとう、ございます……」
 ほんのりと湯気の立ち上る紅茶の入ったティーカップを両手で包みながら、蒼華は柔らかな笑顔で目の前のソファに座る黒髪の少年に感謝の言葉を口にした。
「いえいえ、どういたしまて。少しは温まったかな? こんな雨の中、大変だったね。お待たせしてごめんね」
「はい……いえ、あの……突然ごめんなさい……」
「こちらこそ。紅茶のおかわりあるからね。あ、緊張しなくていいよ」
 カチャリとカップを受け皿にのせる姿が優雅な少年は、優しい口調で言う。身に纏った雰囲気もやんわりとした和やかなもので、蒼華は主人の言う 『優しくてほんわかした人』 というのは彼のことではないかと思い始めていた。
「あのう……初めまして。そ、蒼華といいます。えっと、この度は、お誕生日の方がいらっしゃるという事で、お祝いさせて頂きたいと思いまして、お邪魔いたしました……えっと、それで……」
 扉の前で失礼のないようにと必死に考えた文章は、間違えないようにと何度も脳内で反芻したにも関わらず、使い慣れない為か自分の言葉としてはしっくりと馴染まないようだった。
「初めまして、僕は榊ユウです。蒼華ちゃん? 可愛らしい名前だね。蒼華ちゃんは誕生日の人を探しているの? お祝いする為に? 偉いなぁ~。そっかぁ、でも残念だけど、僕も同居人も身に覚えがないかなぁ……」
 柔らかな物腰の黒髪の少年――ユウは、困ったように苦笑した。
「あ、えっと……その……」
 てっきりユウが件(くだん)の人物だと思い込んでいた蒼華は、何を言っていいのか分からなくなってしまった。
 主人の友人で蒼華が知る人物というのは数が限られていた。
 ピグミーの勇喜の主人であるサトル、蒼華と同じトビネのフィーナライトの主人であるセイバー、ブラックドックのクリスティメイデンの主人であるかっぱことK-STYLE、そして、同じくブラックドックのりおら嬢の主人、りるるの4名である。
 しかし、りおら嬢の主人であるりるるの誕生日はまだ先で、サトルには仲の良いリヴリー達と集まってビックサイズの3段チョコケーキを作ったし、既に誕生日が過ぎてしまったと言ってあたふたとセイバーへのプレゼント作り作業に埋もれる主人を見ている蒼華としては、残りはK-STYLEしかないと推測してこちらへと赴いたのだが。
 見当違いだったのだろうか。
「誕生日っていうのは、蒼華ちゃんのお友達?」
「いえ……主人の…………」
「主人?」
 ユウが不思議そうに首を傾げるのを見て、蒼華は泣きそうになった。
 明らかにユウは困っている様子なのだ。それは当然だろう。突然押しかけてきて、誰かも分からない人の誕生日を祝いたい等と、意図の分からない質問をされても迷惑なだけだ。深く考えずに、直ぐに見つかるという浅はかな思い込みでココまで来てしまった事を海より深く後悔し始めていた。
 蒼華は、両手を膝の上にのせてギュっと握り締める。この場から逃げてしまいたいと思う気持ちを悟られないように、奥歯を噛み締めた。
 その時――
「あ~あ、疲れた~、ユウくんいる? ユウくん? って、あら? お客様?」
 扉の奥から突然現れた女性は、Tシャツにジャージといういでたちにも関わらず、隠し切れないスタイルの良さと女性としての色気が滲み出ていた。
 彼女の容姿に思わず見惚れてしまった蒼華は、主人とは雲泥の差だ、と思った。

************

 インターホンの音は明日美の部屋まで届いていた。
 しかし、昨日から徹夜で作業している事を中途半端にすることもできず、休日でも変わらず決まった時間に起床するユウがいる事を言い訳に椅子から立ち上がることをしなかった。
 決して面倒くさかった訳ではない――と、明日美は自分に言い聞かせていた。
「なるほど……誕生日……ね…………」
 ユウが入れてくれたコーヒーを片手に、明日美は息をついた。
 ソファには、栗色の髪をした蒼い瞳の女の子がちょこんと所在なさげに座っている。
 彼女の話によれば、自分の主人の友人らしい人の誕生祝いにケーキ作りを頼まれたらしいのだが、肝心の人物の名前や性別などの情報が一切分からないのだという。
「明日美姉さんも僕も、誕生日じゃないだろう? だから、どうしようかと考えていたところだったんだ。このまま蒼華ちゃんを帰すには、天気が悪すぎるし……明日美姉さんはどう思う?」
 ユウの優しさは長所だが、優しすぎるというのが短所でもある。
 だが、ユウの言うように小さな女の子を一人で放り出すには適さない天候であることは確かだった。
「そうだな……少なくとも何らかの推測の元にココへ来たのだろうから、その辺から詳しく探ってみるというのはどうだ?」
 明日美が言うと、蒼華という名の少女は驚いたような、今にも泣き出しそうな顔で明日美を見た。
「あ、ありがとうございますっ」
「良かったね、蒼華ちゃん」
「はいっ!」
「それで……他に手がかりは?」
 明日美の言葉に、蒼華は申し訳なさそうに口を開いた。
「えっと、主人が言うには 『優しくてほんわかした人』 らしいんですけど……」
 蒼華の言葉にジッと耳を傾けていた二人だったが、止まったまま肩を小さく窄めている彼女を見て明日美は嫌な予感がした。
「蒼華ちゃん?」
「…………まさか、それだけ……なのか……?」
 一瞬の間を置いて彼女は頷いた。
「ええぇぇ?!」
 驚くユウの隣で、明日美は深い溜息を漏らした。
「ご、ごめんなさい! や、やっぱり帰りますっ。出直してきますっ!」
「いやいや、待て」
 立ち上がろうとする少女を呼び止めた明日美は、脳内で思考の網を張り巡らせていた。
 彼女が何かを推測してココへ来たとしても、それを裏付けるものは何もない。しかし、否定するものもない。それならば――
「ユウくん、君の友人に当たってみてはどうだ? 私にも……まあ、一応心当たりがいないこともない。それでもダメなら、また次の手を考えればいい。急いではいないのだろう?」
 蒼い瞳の少女は、立ったまま呆然と明日美の顔を見つめていた。
「ん? 何か……間違ったことを言ったか…………?」
「いいえ、いいえ! ありがとうございます」
 そういうと、少女は深々と頭を下げた。

************

 さっきまでの雨が嘘のように晴れ渡った空は、僅かに灰色の雲を残し黄色い太陽の日差しが気持ち良く降り注いでいた。
 蒼華は空を見上げてから、おずおずと言った。
「あのう……どこへ?」
「そうだね……明日美姉さんにもらった紙に書いてあるお店にいってみよう。僕も1度だけ行った事あるけど、明日美姉さんも行った事あったのかな? まあ、それは今は関係ないよね。じゃあ、行こうか」
「はい」
 にこりと微笑むユウの後に続き、蒼華も歩き出した。
「ところで……」
「はい?」
 背の低い蒼華に歩幅を合わせながら、遠慮がちにユウが口を開いた。
「蒼華ちゃんは何処から来たの?」
「あ……」
 ユウに聞かれて初めて自分が身分を明かしていない事に気が付いた。ただ、名前を言っただけだったのである。
「言いたくなれけば言わなくてもいいよ。立ち入った事を聞いてごめんね」
「いえ、とんでもないです。えっと……島です。ブルーストーンっていう島から来ました」
「へぇ~、そんな名前の島があるんだね」
「はいっ! いつも、ケーキとかお菓子とか甘い香りがして……あ、でもそれは、あたしがお菓子ばっかり作っているからなんですけど」
「あはは。お菓子作りが好きなんだね」
 ユウの笑顔は、焼きたてのシフォンケーキの様だと蒼華は思った。
(優しくてふわふわしてて、甘い香りがする人だなぁ)
 どうでもいい様なつまらない話を真剣に聞いてくれる心の広い人が、本当にいるんだということを蒼華は実感していた。
「ここへ来るのに少し道に迷ったりしましたけど、でも辿り着けて良かったです」
 素直な感想を口にすると、ユウが不思議そうに首をかしげた。
「どうやってココまで来たの? 島っていうくらいだから……船かな?」
 蒼華は、何の疑問を抱く事無く答えた。
「いいえ、走ったり、飛んだりして……っていっても羽は付いてないんですが。島同士で空間が繋がっているので、クリスちゃんの島……あ、お友達なんですが、そこからかっぱさんの拠点を色々と見学させていただいて、それで――」
「ちょっ、ちょっと待って! 蒼華ちゃんっ……え? 何? 飛ぶって? 空間とか……ええっと…………」
 ユウは額に手の平を当てて、酷く考えこんだ表情をしていた。蒼華の言った事を整理するようにブツブツと唇を動かしているようだ。
「あの……あたし……ごめんなさい。何か、変な事言ってしまいましたか?」
 また、ユウを困らせてしまったのだろうか。
 蒼華が恐る恐るユウの顔を覗き込むと、彼は苦笑した後、いつもの笑顔を取り戻した。
「何か、難しくて僕には良く分からないけど、でも、色々頑張ってココまで来たって事だよね」
「はい……えっと、そんな感じです」
「うん」
 まるで自分を無理矢理納得させるように言うユウを見て、蒼華はこの話はこれ以上しないようにしようと心に決めたのだった。

************

 明日美からの電話に出たのは、店を開けて1時間ほどした頃だった。
 人探しに協力して欲しい。
 との要求に、冗談交じりの見返りは却下され、彼女の愛して止まない少年を待つ事になったのである。
「さて、もうそろそろ来る頃かしら?」
 『フラワーショップさくら』と書かれた看板の下には、季節の鉢植えや瑞々しい緑を湛えた観葉植物などが並べられ訪問者を出迎える。そして店内は、色鮮やかな切花とフラワーアレンジメントが所狭しと並べられ、芳しい香りで客の心を包み込むという演出だ。
「せっかくだから、白い薔薇と百合で飾り付けしてみようかしら」
 恋焦がれた人の訪れを待つ恋人のように、女店主――佐倉美咲の心はウキウキと弾んでいた。
 花の香りがごちゃ混ぜにならないように、いくつかの花を奥のウィンドウケースへと戻す。彼の心に印象付ける為に。彼の反応はどうだろうか。楽しみだわ……と、美咲は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
 ちょうど白薔薇のディスプレイが終わったところで、人の気配を感じ取った美咲は店の奥へと下がる。
「さて……今日は、どんな顔をしているかしら……一緒にいるのが例の女の子ね……真面目そうな子ね。可愛いわ、ふふ」
 植物の陰から店越しに二人を見ていた美咲は、二人が店内へ足を踏み入れるのを待っていた。
 そして、二人が花の香りに包まれたのを確認すると、フラワーショップさくらという女店主の顔で二人の前へと姿を現したのである。


<後編へつづく>


*コレはかっぱちゃんことK-STYLEさんに捧げた小説です
 お持ち帰りはかっぱちゃんのみとなります
 いあ、 長すぎてむしろ迷惑だ・・・・orz; リンク程度が妥当か・・・・;



続いてしまって申し訳ないです(つд・)
どうだったでしょうか?
久々の3人称は、書いてて気持ちよかったですw つい長くなってしまうのはそのせいかっw
今回は、全てのキャラで文章を書いてみようと思い
場面転換する度に主観を変えてみました
真昼の月のキャラたちは、みんな個性的で素敵なキャラたちばかりなので
書いててとっても楽しかったです!

主観転換を読み慣れない方のために御説明いたしますと
蒼華 → ユウ → 蒼華 → 明日美 → 蒼華 → 美咲
というように、かっぱちゃんのキャラの間に蒼華を挟んでいます
分かりにくかったかにゃ?(;´ρ`)

まだ登場していないキャラは後編で登場します(*´Д`*)w
もう書けてるから大丈夫でふ
それでは後編は明日upしますので 待っててね♪





 

 
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K-STYLE

るぴさん、こんばんばん・・・って、ほわわっ(゜◇゜*)!!
な、なんとゆうサプライズ(゜o゜)!?
バースデープレゼントに小説をもらったのなんて初めてでふ~。
し、しかもうちの子たちを登場させていただいて(゜◇゜)ほわ~
す、すごいにゃ~(゜◇゜*)みんないきいき書けてるですにゃ。
ありがとうですにゃ~。なんとゆうか、もうお礼の言葉もない感じでふ~。も、もちろん嬉しくってですにょ(*・◇・*)
蒼華ちゃんとのからみもとっても楽しいのです!もう、冒頭の必要な情報が『優しい』と『ほんわか』だけってゆうくだりで、すでに撃沈(゜◇゜)ほわわん
後編も楽しみです~。
本当にありがとうにゃ~(*ノωノ)うれしいっ!
by K-STYLE (2009-11-12 22:29) 

セイバー

るぴさんこんばんわ(*'∇')/わぁ~!すごい~!
読んでてびっくりした(*'∇'*)まさかのコラボレーション
ユウくんや明日美姉さんや美咲さんが出てくるなんて♪
そして一生懸命ケーキを作ろうとがんばっている蒼華
ちゃんやそれを一緒に手伝おうとユウくん達との絡み
も読んでて楽しかったよ~(*'∇')かっぱちゃん改めて
お誕生日おめでとう♪
by セイバー (2009-11-13 01:49) 

ルピナス

かっぱちゃん☆
こにゃにゃちわ~(*´Д`*)ノシ
イ、イラストがなくてごめんよぉ(つд・)
SSのつもりが長くなりすぎたっ><;ひーっ
ついキャラたちをじっくりと登場させたくて(;´ρ`)書き込んじゃったよw
でもユウくんの章が短いねwっていうか他が長すぎるんだ
(⊃д⊂)喜んでもらえて良かったですにゃ~
後編も楽しみにしていてね
お誕生日おめでとう!!!

セイバーさん☆
こにゃにゃちわ~(´∀`)ノシ
コラボ~~~♪っていうか殆んどかっぱちゃんのキャラだけど(゜▽゜;)
ネタが(ーー;)ケーキばっかだよwww他にないのかっ自分っ
後編もあるので良かったら読んでね♪
そうそう、設定メールありがとう!!!
すごくしっかりとした設定で感心しちゃいました(*^-^*)
更に色々埋めていくからお楽しみに♪
by ルピナス (2009-11-13 08:53) 

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